dup / text / 研究報告書 /

クリーンエネルギーを開発する


今、地球はさまざまな問題に直面しています。 よく耳にするところで、地球温暖化、オゾン層の減少、化石資源の枯渇、人口増加、食料の枯渇、IPアドレスの枯渇・・・。 まぁIPアドレスは別として人間が活動を行う上で無視できない問題ばかりです。 しかしこれらの問題を生んだのも人間の活動であると言われてます。 そこで今更になって地球環境を守ろうなんてことを言い出すのも話の流れとしてはおかしいとしか 言いようがありませんが、しかしこれらの問題を解決することは人間に課せられた使命とも言えるでしょう。

そしてこれらの問題のひとつの括りであるいわゆる”環境問題”は、 我々が最も優先して対処しなければならない問題です。 地球環境は、我々人類を含む地球上の全てに対して不可欠なものです。 しかし現代の人間が生活する上で、同じように不可欠なものもあります。 例えば電力です。これが無ければ完全に我々の生活は麻痺するでしょう。 そして電力開発と環境問題は常に斬っても斬れない関係とされてきました。 事実、20世紀後半になって大型ダムが建設されるたびに多くの森林が湖の底に沈み、 河川の生態系にも影響を及ぼしました。 また火力発電所を運転するために多くの石炭や石油が掘り返され、 地球の化石資源を消費するとともに多くの大気汚染物質を大気中に放出されました。 このように、常に環境問題と隣り合わせとなってきた電力開発ですが、 ここで電力開発を止めるわけに行かない今、残された道は共生です。 つまり、環境負荷をできる限り抑えた電力開発を行わなければならないということです。

これを別の観点から捕らえた発電が最近欧米を中心に一般化しつつあります。 それは太陽光などの自然エネルギーを利用して自宅で発電を行うことで、 発電所などによる大規模な発電を抑えようという半自給自足型の発電施設です。 晴れた日中は自宅の太陽光発電機で宅内の電力を賄い、 夜間や曇った日中は電力会社からの電力を併用するという形で運用し、 電力会社との契約によっては自宅で発電した電力を電力会社に売ることができるというシステムです。 こうすることにより発電所の稼動を最小限に抑えることができるほか、 新たな発電所の建設も抑えられるため環境負荷も抑えることができると考えられています。

という訳で、私も自宅で発電施設を開発・導入してみました。



ハムスター発電機「かっちゃん1号♪」




なんか成り行きでハムスターを飼うことになったのですが、 ハムスターは夜行性のため夜中に超元気です。 そしてこのホイールに乗ってカラカラと回りつづけます。 それはそれで全く構わないのですが、ひとつ言わせてもらうとうるさくて眠れないです。 いやそれが次の日は日曜日♪とかならもう全く構わないのですが、 さすがに明日も仕事〜な日にそれをやられると困ります。 つーか、更に言わせてもらうと「お前の行為に意味は無い」とでも言うか、 とりあえず落ち着いて考えてみなさい、あなたあれだけ走ったのに降りたら同じ場所よ?  それどうよ?

という訳で、ハムスター的にもそろそろ疑問が生まれてくる頃かと思って、 ”走ることの喜び”(車のCMみたいだな)として発電施設とさせて頂くことに。 これで、例え走ったあとの場所が同じでもその間に行ったことは電力として形になるではないか!  ビバ電力! うっはー電力! さぁ、地球の未来にご奉仕するにゃん!!

このネタはある意味ここで終わりな気もしますが、開発の様子っぽいことを書いておきます。 一応、この発電機の目的は電力の象徴である「光」を、LED(発光ダイオード)を発光させることでした。 という訳でハムスターの運動を光に変換できる回路を作らなければなりません。 しかしこれの開発には正直手間取りました。 何しろ、電力の源となるもはたった1個のマブチ130モーター(笑)です。 ハムスターが運動することによって得られる全ての電力をここから取り出さなくてはなりません。 ます早速、モーターだけの状態で電圧を測ってみたところ、たったの0.2Vしか出ないんです。 これではダメだ! ダイオードに電流を流すには最低でも0.6Vが必要で、 光を出すにはその時に充分な電流が流れなければならないのです。 しかしこれではLEDに電流を流すことすらできません。 そこで昇圧(低い電圧を高い電圧に変換する)ということを考えねばならなくなりました。 その方法にはいろいろありますが、とりあえず半導体を用いた昇圧回路は作れません。 なぜなら、0.2Vで動作する半導体が無いからです。

となると、もっと原始的な・・・より機械的な昇圧手段を考えなければなりません。 そこでまずモーターを改造しました。 このマブチ130モーターは直流モーターと呼ばれる部類なのですが、 直流モーターにはブラシと呼ばれる部分があって、 これのお陰で直流電源でも滑らかに回れるようになってます。 今回はモーターを回して電力を得たいだけなのでそこまで滑らかさに拘る必要はありません。 それよりも、より大きな電力を得ることが重要です。 そこで施した改造は我ながら奇想天外な発想のため説明しにくいのですが、 本来直流っぽい電圧が出るこのモーターを、 ブラシを改造することで擬似的な交流電圧(実際には矩形のパルス電圧)が出るようにしました。 すると何が良いかというと、トランス(変圧器)を用いた昇圧ができるのです。 あと一度交流にしておくと、ハムスターが走る向きを考慮する必要がなくなります(直流だと走る向きで+−が逆になる)。 で、改造を施したモーターをトランスに繋いでみました。 このトランスは元々は100V→2Vの降圧用ですが、 逆に繋ぐと2V→100Vの昇圧トランスのように動作します(ただし小電流でないと発熱破損する)。 つまり理論的には50倍の昇圧ができるはずです。 そして見事に昇圧成功! 軽くモーターを回しただけで3.0Vほどが出るようになりました。 これならLED点灯も夢じゃない! つーか充分できるはずの電圧です。

あとは、再び交流電圧を直流電圧に戻す回路と不安定な電圧を安定化させる回路を通せばOKです。 最後にその回路の出力をLEDに繋げば完成!!

さて、これで一応発電→発光の一連の回路はできたのですが、 モーターの回転数を最適化したいと考え出したので変速ギアを設けることにしました。 これはさすがに自分では作れないので模型店で汎用のギアを購入しました。 あとはアクリル板でシャーシを作り、そこにギアを組み込んで発電機完成!!

が、発電機とハムスターのホイールをどう繋ぐかがまだ解決してませんでした。 そこでホイールに直接ギアを接触させてみるとか、 輪ゴムを使ってベルトとして動力を伝達するとか、 いろいろ試したのですがどれもうまく動力を伝達できませんでした。 その後3日3晩悩んで思いついたのが、 過去にラジコンをやっていたときに見たパーツです。 なんかスポーツタイプの低床車種だと歯が付いたベルトで前輪に動力を伝えていたっけ!  あれなら回転するときに滑らないのでロスも無いはずです。

早速買いにGO! しかし思わぬトラブルがっ!!  私はエンジン付きのオフロード車タイプのラジコンだったため、伝達系は全てプロペラシャフト。 よってあのようなベルトは使ったことがありません、つーか名前も知りません!  という訳で店員を呼んで説明、 「なんか歯がついたようなベルトがあるじゃないですか。それください。」 ・・・これで通じたからある意味怖いです。 しかし第2の問題発生! 車種は?と聞かれたのです。つーか車種なんてどうでも良いので、 「ラジコンに使うわけではないので何でも良いです。夏休みの工作です。」と答えてやりました。 が、なんか店員にマークされたらしくいろいろ文句を言われました。 なんか「相手がプーリーじゃないと・・・」とかぶつぶつ言ってるんです。 どうやらラジコンに拘りを持った”本物の店員に当たってしまったようです。 しかーし、んなもんいいから、完成品を見たら必ず納得するからとりあえずそれ売れ!  と1050円でお買い上げ〜。

で、それをハムスターのホイール外周に貼り付けて、 遂にホイールと発電機が噛み合うときが!! まさに感動の合体!!

・・・で、夜中になるとハムスターは相変わらず元気です。いつものようにホイールで回りだします。 しかし今までと違うのは、その隣で怪しく蛍のようにLEDが発光していることです。 まぁおそらくこれで暗い夜道(ホイール)が照らされて安心して走れるでしょう。 う〜ん、めでたしめでたしですな。今日も発電したね。明日はもっと発電するよね、○○太郎♪  つーか発電機のせいで余計にうるさくなりました。





back

(C) digi*unique production  2002