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第6章「本領発揮(後編)」




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2004年8月20日 2日目(そにょ2)

ではGO! また地道に放り出されます。しばらく海岸に沿って、海を見ながらののんびりドライブです。




あ、向こうに海水浴場チックな浜発見! こりゃ入浴するしかあるまいて。 と思ったのですが、どうやって行くのかなーと地図を見たら隣の島でした。 小さな湾だと思ったのにさすがは3000の島があるという瀬戸内海、一丁前に海峡です。 入浴は一旦諦めです。というか、時間があったら是非泳いで渡ってみたい距離ですな! 



で、橋が見えてきました。これが例の技術進歩の鍵を握る斜張橋、生口橋です。 全貌をうまく撮れる場所が無かったので対岸側の半分だけです。すみません。 本当は手前側にも完全に対称な橋塔がある3径間の斜張橋です。 気になる方はリンク先の図面で確認してください。 中央支間490m、全長790mで、1991年の完成当時は世界最長の斜張橋でした。 ・・・が、その数日後にあっさりノルウェーのスカルンスンド橋に追い越されたという微妙な橋です(笑)。  しかしその後の"多々羅大橋の逆転劇"のきっかけはここにあります。

さて、なんかリンク先のページに既にネタバレされてたんですが(笑)、 先ほどの多々羅大橋に欠かせなかった技術、逆転劇のきっかけのお話です。 写真をよーく見ると、橋塔の向こう側とこっち側で桁の色が少し違って見えると思います。 向こう側がちょっとグレー掛かったコンクリート色ですよね。ですよね!  えーい、拡大!(笑)




はい、ですよね。という訳で、側径間(橋塔の向こう側)は桁がコンクリートでできています。 対して中央径間(橋塔のこっち側)は桁が鋼でできています。 どちらも中空の箱桁で、どっちが重いか軽いかっつーイメージはまぁ人ぞれぞれ微妙だと思いますが、 実際のところは鋼のほうが桁の構造としての比重は小さいです。 よって、側径間は重く、中央径間は軽く出来ています。

斜張橋というのは"やじろべえ"なので、塔の両側で同じ重さ(正確には回転モーメントが0かな?)になっているのがベストのバランスです。 軽い方を重い方より長〜くすると程良いバランス加減になりますね。 生口橋はこのようにして、中央径間をより長くすることに成功しました。 吊橋で両端にアンカレイジを配置するのと原理的には似ています。 先ほどの多々羅大橋も同じようにして中央支間を延ばしています。 生口橋の成功無しに"世界最長の斜張橋"多々羅大橋は在り得なかったということになります。

そんな偉い橋に挑むものが・・・。




「橋より安い200円」の明快なキャッチコピーで私の心を掴んでしまった三光汽船「赤崎金山渡船」です。 このての橋とフェリーの戦いはどこにでも在ります。 しかしここまでチープな戦い(失礼)を繰り広げているのは初めて見ました。 橋を渡ると300円なので、出航時刻を待つ時間とか船のまったり感を100円で買えるかってことになるんですが、 そして私は買う気満々だったんですが、残念、なんか人の気配が無いのでどうしたら良いかわかりません(笑)。

橋決定。眺めたら渡る。これ。




フェリー乗り場からすぐのところにある生口島北I.C.、ここから瀬戸内しまなみ海道再開です。 ぐるーっとランプウェイを回るとそのまま本線になって、そしてこの生口島から因島へ渡ります。



この橋もかなり平らにできてます。そして照明のデザインがなんかお洒落〜。 橋の下から見た感じだと橋塔の形がちょっと微妙だなぁと個人的には思っていたのですが、 こうして渡ってみると結構まとまってて良い感じです。鋼線と見事に調和しています。

因島に渡って、そのまま瀬戸内しまなみ海道を突き進むと、また次の橋の橋塔が見えてきます。 瀬戸内しまなみ海道で一番北側の吊橋、因島大橋です。 そしてこの橋は、瀬戸内海の長大吊橋のさきがけとも元祖とも言える橋です。 瀬戸大橋も明石海峡大橋も、みんなこの橋で得たノウハウを元に作られた吊橋です。

そのすぐ手前に、落ち着いて写真を撮れそうなパーキングエリアがあったので迷わずIN!  大浜P.A.です。入ってすぐに、橋の写真を撮るよりもっと面白いものがあることに気付きました。




因島大橋のメインケーブル(の完全な実物模型)です。さすが元祖、素晴らしい!!  明石海峡大橋のところにはケーブルを模したベンチがありましたが、 あんなものとは比べ物になりません。何故なら細部まで完璧に本物と同じようにできているからです。 というか、ケーブルそのものを一部だけすぱっと切って持ってきたという表現が正しい、完全な複製です。

一段細くなっている太い円柱がメインケーブルで、 それを覆うように上下10本のボルトで締め付けられているのが、 橋桁を直接吊るハンガーロープとメインケーブルを接続するためのケーブルバンドです。 そしてそれに2本掛けられているケーブルがハンガーロープです。 まさかこんなところでこんなものを間近で鑑賞できるとは思ってませんでした。ん〜、素晴らしい。

そして、メインケーブルの断面をよーく見ると、




素線の1本1本まで本物そのままに再現されているのです!  すばー、すばー、すばー、すばーらしい模型〜♪ そうなんです。 こういう細い素線を束にしてストランド(色分けされている1つの束)を形成し、 更にストランドを束にして、 その周りにぐるぐると鋼線を巻き付けて密閉して、 1本のメインケーブルができているのです。 ちなみにこの因島大橋の素線は直径5.17mmの鋼線で、 それを127本束ねたストランドを更に91本束ねているそうです。 むっはー満足! 大変良いものを見せて頂きました。

しかしここのサービスはそんなもんじゃ終わりません。 ケーブルアンカーフレーム様の登場です。




当然これも実物模型です。 吊橋の両端にはアンカレイジという巨大なコンクリート構造物があり、 それを錘とすることで吊橋を支えていますが、 いくら巨大なアンカレイジがあったとしてもメインケーブルがそこに確実に固定されていなければ意味はありません。 で、固定のしかたなんですが、実はアンカレイジの中には空洞があって、 メインケーブルは一旦そこでストランドの状態までばらばらにされます。 先が解れた紐のような感じになります。 そしてそのストランドを1本1本アンカレイジ内のコンクリートに固定しているのですが、 その固定具がケーブルアンカーフレーム様です。

写真で見ると先端の部分に飛び出している棒がありますが、あれがストランドです。 本物はあんなふうに切れてなくてそのまままっすぐ続いてますけどね。 で、下の赤く塗ってある部分が本物ではコンクリートに埋め込まれてがっちり固定されます。 アンカレイジの中の空洞にはこんなものがわさわさと大量に生えています。 この因島大橋だと91本のストランドを固定するために必要な数がびっしりと(笑)。

では、マニアックな品々を鑑賞したところで、渡りましょう。 因島から向島へ渡る元祖瀬戸内海の長大吊橋、因島大橋です。




"門構えに×"の、瀬戸内海によくあるデザインの橋塔ですね。 初めて観ましたが、なるほど納得、元祖っぽいです(笑)。  というか、淡路島から四国へ渡る、昨日通った強風の大鳴門橋に見えて仕方ありません。

でも今日は穏やかな曇り空(え?)なので難なくクリア、 さぁ瀬戸内しまなみ海道も次の橋で最後! いよいよ本州上陸の気配です。 が! このまま本州に渡ってしまうと広島県尾道市真っ只中、きっと入浴できるような海水浴場は無いのです。 という訳で向島I.C.で地道に出ることにします。そして入浴できそうなところを探します。




いや、ここではマズいだろ、ここでは(汗)。  なんか池です。蓮(?)がたくさーん。・・・蓮の時期ってもう終わったんでしたっけ?  なんか残念。蓮風呂は断念です(そもそもそんな予定はありません)。

とりあえず海岸を目指して少し山道を走ります。 で、ずがーんと下って、その突き当たりに海岸発見。




というかこれはもしかすると海水浴場ではないですか!?  ビバ海水浴場! その名も立花釣ヶ浜海水浴場! しかも心配に反して凪です。 誰も泳いでなかろうが早速入浴です。 汗と日焼け止めと虫除けの気持ち悪〜い3重コーティング膜を削ぎ落とさねばなりません。 入浴シーンは撮ってません(笑)。 さすがに海水にカメラはマズいです。 っつーかまた旅でカメラを壊して買い換えとかはいやーんです。

さっぱりしたところであがって、ミネラルウォーターをかぶって仕上げ完了♪  いやー、まじさっぱりしました。では着替えてGOです。 ・・・してすぐに、町の中心部で銭湯らしき煙突を見つけたのは内緒です。 まぁ、この朝っぱらから営業している訳もなさそうなのでOK。

ついに本州に上陸・・・なんですが、瀬戸内しまなみ海道は下りてしまったので、 その道が出来る前に本州と向島を結んでいた国道317号線尾道大橋で上陸です。 すぐ隣に瀬戸内しまなみ海道の新尾道大橋が架かっているので横からコソーリ写真撮影。




平行に並んで架かるこれらの橋は、どちらも中央支間215mの斜張橋です。 景観工学的に違和感が無いように中央支間と形式を揃えて架けたらしいです。

新尾道大橋は今更別に長い訳でも珍しい形式でもなくあまり面白みは無いですが、 古い方の尾道大橋(写真で渡っている橋)は日本の大型斜張橋歴の元祖となる橋です。




道路を走って気になったのが路面の金網です。 中央径間部だけ路面の真ん中に穴が空いていてフェンスになっています。 さすがは大型斜張橋の元祖! たぶん風対策の穴です。 長大橋では、中央分離帯や路側帯の路面をフェンスにし、 桁の上下にできる気圧差を逃がして桁の振動を押さえる設計をするんですが、 この橋もその理論に忠実に設計されたみたいです。 というかもしかしたら、ここでこういう設計をした実績に現在の長大橋が乗っているのかもしれないです。 この橋からこつこつ技術を積み重ねて多々羅大橋ができたんだなーと・・・思うのは橋マニアだけです。




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