dup / texts / 日記帳 / 日記Special / 目指せ地の果て極寒北海道の旅 /■ 第13章「鳥みたいな橋」」」
◆ 目指せ地の果て極寒北海道の旅 第12章へ戻る
2004年1月2日 8日目(そにょ1)おっは暖か〜・2! さーて今日は本州へ戻る日、張り切っていってみよーってな感じですが、なんか帰るのめんどいですなぁ。 しかも夜のうちに雪が降ったみたいで道路は真っ白です。うーん・・・滑りそうだ。 とりあえず、ぼちぼち室蘭へ向けて走ってみますかな。こう真っ白だと自分の車線がどこまであるのかよくわからん状態になります。 こうなったら適当に、周りの車に合わせて適当に走るしか無い訳ですな。 特に地元っこじゃない私の場合はどこが右折車線かとかそういうことを知らないので、 勘でそれっぽく走るしかなくなります。間違ってたらごめんよ。
![]()
札幌市内はまぁ大して面白くないのでさっさと抜けて、まずは国道230号線で内浦湾を目指します。 ずんずん山に入って行く道ですが結構人気があります。交通量はそこそこです。
実は土木マニア的に気になっているのが、北海道には放物線断面のトンネルが多いこと。 何故かはよくわからないんですが、放物線断面のトンネルがとにかく多いです。 ただ設計が古いだけなのか、雪国ならではの理由みないなのが何かあってのことなのか。
![]()
そろそろ峠が近いかなーという具合に勾配が緩くなってきたところで、 お手本のような見事な雪崩発生地帯です。
実際雪崩が起きた跡がいくつか見られます。 という場所だからだと思いますが、道路は山肌から離して橋にしてありました。雪崩が起きても道路の下をスルーする感じです。 このときは丁度雪が降った後の晴れ間だったので期待して眺めてたんですが・・・起きませんでした。残念。
![]()
峠を越えると下り坂(当たり前)、くねくね曲がってとってもいやーんな感じの圧雪路面です。
しかも視距不十分、最悪です。 なんかものすごく止まれない気がするので車間距離は多め、そんかわりチェーンは履かない、これ。 で、たぶん一瞬よそ見でもしたんですな(あんま覚えてないんですが)。 そしたらコーナーが明けたところで渋滞しててあの車停まってやがんの。
![]()
(滝汗)!! やべぇ油断した、止まれる距離じゃねぇ! もうね、チェーン履かなかったこと大後悔。 それよりどうするよ、この距離じゃ絶対止められない止まらない、追突必至だよ。諦めるなり足掻くなり方針を決めないと。 という訳できむぅ〜会議(脳内の3人の私が議論するところ。会の最後にはキャンディに紛れてオンディが(略っつーかパクりだろ))緊急召集!
案0 諦めてクラクションならしながら追突。
→やだ。・・・でも一瞬まじで諦めた。
案1 対向車線に逃げる。
→中央分離帯あるし対向車多いし無理。
案2 秘技逆噴射!
→実用にはまだ早い(謎)。
案3 雪壁緊急ブレーキ。
→止まるかどうか微妙だがやる価値あり。では案3即実行。まぁ要は雪壁に左前タイヤを押し付けてゴリゴリ削りながら、削った雪をタイヤの前に積み上げて止めるという荒技で。 そうでもして抵抗を増やさないと絶対止まりません。いやーほんと油断禁物とはこのこと。 うまくいくかはかなり微妙ですが、まずは普通のブレーキングで減速しながら雪壁に車を寄せて、 左前タイヤがくっついたところでタイヤをロックさせて、 雪壁に登ってしまわないように、削り崩した雪がタイヤの前に積み上がるようにタイヤの向きを調整しながら減速して・・・なんとか3m手前で停車(汗)。 ・・・ふぅ、停まってみりゃ適度な距離ですな(笑)。 でも会議があと1秒長引いてたら止まらなかったということですな。キャンディのつかみ取り大会を省略しといて良かった。
あと、ABSが無い車でほんとに良かった。 いや、別にABSを悪く言うつもりじゃないですけど、運転手の"ロックさせたいという意図"は完璧に無視する道具であることも事実。 今このシチュエーションでABS装備な車だったら雪壁掘削効果が半減してたでしょうな。まぁつまり止まらなかったでしょうな。 っつーか気をつけようよ自分(汗)。
因みに案2としてあがった「秘技逆噴射」っつーのは、これぞ荒技中の荒技でまだ開発中なんですが、 まず開き直ってブレーキ全開フルロックを掛けて駆動系の回転を止めてしまって(停車状態と同じになる)、 その隙にギアを後退にIN、ブレーキ解除と同時に全速後退(つまり逆噴射)を掛けるという技です。 ふざけた技のようですが、意外にまともに恐ろしいほどの短距離で止まります。テスト走行で実証済みです。 ただ、一度フルロック掛けてしまうというところが実用には度胸が必要で、 しかもその間の空走距離が後々プレッシャーになるどころかギアチェンジをミスしたり、 その後のアクセルONで失敗してエンストしたりすると大変なことになるという諸刃の剣です。 お勧めはしません。あとこれもABSな車じゃできません。
で、渋滞の先頭は事故でした。原型をとどめてない車発見、どうも正面衝突っぽいです。 うーむ、危うく二重事故(?)っつーか警察もそんなにうじゃうじゃ来てんならもっと手前で渋滞予告でもしてろよと思うのですが。 っつーか私、いい加減チェーン履けよって感じです(笑)。 本気で事故りそうになったときっつーのは本当にうっはーとなるようで、 恋する少年少女みたくドキドキして落ち着かない(こんなときめき初めてって感じ)のでちょっと停車。 事故現場がちょっと広くなってたので、事故処理などやってましたが構わず停まって休憩です。 なんか文句言われたら「構ってる暇あったら上行って発煙筒でも置いてこい」と追い払ってやる準備OKです。
気分が落ち着いたところで走行再開。 山を下ると洞爺湖です。
地図で見るとドーナツ型の湖ですが、地上から見ると別にドーナツ型に見える訳でもなく、 沖に"ひょうたん島"みたいなの(中島というらしいです)が浮いてるだけで大して面白味のない湖です。 でも水がすんごく透明度が高くて綺麗ですね。写真の奥が"ひょうたん島"、手前の倒木にくっついてる白いのは氷柱です。 太陽に照らされてシャンデリアみたくきらきらしてました。
![]()
洞爺湖の周りをぐるっと1週している道路、その名も「ぐるっと一周線」。 これをぐるっと半周したところで国道453号線、ここを左折して内浦湾へ向かいます。 その途中でなんだかものすごく若い山を発見しました。
写真の奥は有珠山、左手前のごつごつした若い山というか溶岩ドームが気になりました。噴煙も上がってて血気盛んな若者って感じです。 で、調べてみたらこれがあの有名(?)な昭和新山。へぇ〜、これなんだー。 その名の通り、昭和時代の噴火でもりもり盛り上がってできた山です。 っつーかこの辺全部、あちこちもりもりしてて若い山だらけです。明治新山とか有珠新山とか。
![]()
なんだか天気も良くなってきたところで海に出ました。伊達市です。 なんか高速道路があるので走ってみたいと思います。
やっぱ北海道の高速道路も少しは走っておかないといけないかねーということで、道央自動車道です。 土木マニア的には北海道ならではの道路付帯設備とかあると嬉しいです。その辺が期待です。 ・・・が、もう普通に普通でした。何も面白いもんありません。 強いて言えば動物注意の標識の絵柄が微妙にリアルなキタキツネだったことです。写真は撮り損ねてます(笑)。
![]()
室蘭出口の看板、下に「白鳥大橋」の案内看板もくっついてます。
ひゃっほう、白鳥大橋♪ 本来は交通の通過点であるはずの橋がわざわざ案内看板に出てると言うことは、 こりゃもう観光地化した"名物"であること間違いなし、なんか期待できそうな気がします。
![]()
高速道路を下りて、そのまままっすぐ進んで高原道路っぽい感じの綺麗な道を下って行くと分岐に差し掛かります。 そこを左折すると噂の白鳥大橋が見えてきますと言うより渡ります。
何ぃ!? 渡る前に眺めるのが橋マニアの掟なんですが・・・仕方ないのでここで眺めることにします。 うーむ、確かに東日本最大かもしれない立派な吊り橋です。でも電光掲示板が邪魔ですなぁ、あんなところに渡さなくてもいいのに。 すっきりデザインされた橋塔のシルエットが台無しです。で、ばっちゃが言ってた「鳥みたいな橋」というのは謎です。鳥には見えません。
![]()
とりあえず橋を渡ってしまって、対岸の港湾道路をあちこちつつきます。写真撮影スポットを探すのです。 適当に彷徨っていたらアンカレージ(吊り橋の錘)のすぐ横を通って橋の横に出る堤防を見つけました。
さすがに近いので全景は無理でしたが、まぁこういう構図も迫力があって好きです。 光学ズーム搭載のカメラでよかったなと思った瞬間です。
![]()
さて、では熱く語りましょうか。 まず見て欲しいのが補剛桁です。補剛桁っつーのは道路が乗っかってるところ。すごくぺらぺらに見えませんか? 私、一応今まで散々いろんな橋を見てきましたが、ここにきて初めてこういう補剛桁を見ました。 別にモノとしてはそう珍しくもなくて広島辺りの本四連絡橋に行けばいっぱいあるんですが(うろ覚え)、 今まで道路と鉄道の併用橋ばかりを見ていたのでめぐり逢わなかったんでしょうね。
で、実際ぺらぺらかというと、それほどぺらぺらって訳でもありません。 構造的には四角い箱形断面の桁です。が、側面にフェアリングという羽根を付けているので厚みが目立たなくなってぺらぺらに見えるって感じです。 桁の端の部分がカッターの刃みたく見えるのが、そのフェアリングってやつです。 本来は航空機とかそういう空力工学の分野で使われる言葉です。 ということで、実はこの羽根は桁を薄く見せるためじゃなくて空力性能を上げる為に付けられてます。 見た目が綺麗になるのはその副産物みたいなもんですな。
吊り橋の空力性能を上げるというのはどういうことかっつーと、 まず思い出してほしいのが"決定的瞬間"系の番組でよく出てくる、風に煽られた吊り橋がぐんにゃぐんにゃ波打って落ちる映像。 あれはタコマ橋という橋で、"悪い吊り橋の見本"としてマニアや設計者の間で超有名な橋です。 風速60m/sに耐えられるように設計したはずなのにその1/3にも満たない風速で落ちてしまったタコマ橋、一見謎の事故です。 が、その落橋のメカニズムが解析されると謎でも何でもない、 薄い紙切れに横から息を吹きかけるとばたばた暴れる現象、渦励振っつーのが吊り橋で起こってただけでした。 っつー訳で、その後の吊り橋はこの悪い見本のようにならないように、 風によって振動(発散振動)しないようにするための空力設計がとても重要視されるようになりました。
で、最近の吊り橋(特に長大橋)によくある対策が、 中央分離帯や路側帯にグレーチングという隙間を開けて風を逃がしてみたり、 スタビライザという整流板を付けて風の流れを制御してみたり、まぁそんな小細工です。 そしてそれと同列にあるような風対策が、いっそのこと翼みたく流線型にして風切っちゃえ〜(空気の渦ができないようにしちゃえ〜)という発想(たぶん)のフェアリングですな。 翼のような補剛桁、これが「鳥みたいな橋」のキーかもしれません。 ・・・個人的にはグレーチングが無い桁ってそのまま揚力付いて飛んできそうで怖いんですが(笑)。 因みに小さい吊り橋だと、橋の脇から斜め下にケーブルで引っ張って押さえたりすることが多いです。
明石海峡大橋とかまぁ何でもいいんですが、今まで見てきた橋って大抵アンカレージ(写真左側のアレ)と主塔の間をメインケーブルが直接渡っていたんですが、 この橋の場合は主塔だけでなく側塔(写真中央のアレ)があって、主塔から側塔経由でアンカレージに渡るような感じになってました。 まぁつまり吊り橋本体部分がアンカレージから離れた感じになるので、横から見ると宙に浮いた吊り橋のように見えるかもしれませんねぇ。 うーむ、これもまた「鳥みたいな橋」のキーかもしれません。
![]()
白鳥大橋の下には岸から防波堤が伸びていて、 なかなか滅多にお目にかかれないようなマニアックなアングルから橋が見れるようになってました。 でもあまりにマニアックなアングルなのでここには載せないでおきます。 ヒンジが、ヒンジが〜!とか言っても訳わからんので(笑)。
防波堤の脇には造船所みたいなところがあります。いや、たぶん造船所なんですが、作っていたのは四角い船でした。 この四角い船は何かっつーと、基礎です(たぶん)。 橋とか、海洋構造物の土台にするための船。 ここで作ったら現場まで引っ張っていってそこで石やらコンクリートやらを詰めて沈めるという、 ちょっと極道っぽい的な使われ方(謎)をします。 作ってるところを見たのは初めてだー。白鳥大橋の基礎もここで作ったんかな。現場近くて楽だったろうな。
![]()
橋の下から陸を見渡すと小高い丘がいっぱいあって、なんかどこかから良い景色が見れそうなんですねぇ。 これは良い景色が見える丘を探すしかねぇ。 しかしこれがまたなかなか難しいのです。方向的にこっちだなーと思って走っていくと道が無かったり、 じゃーこっちかーと思うと行き止まりだったり・・・。あれこれと迷ったところで何やらそれっぽい坂道を発見。 特に何も案内は出てなかったのですが、上って行ったら展望台がありました。
白鳥大橋もばっちりです。たぶんここがベストスポットでしょう。 うーん・・・「鳥みたいな橋」かなぁ。無理すれば翼を広げた鳥に見えなくもないけど相当無理があるな(爆)。 まぁでもきっと白鳥大橋って名前が付いてるぐらいですから、やっぱ白鳥がはばたいている姿がモチーフになってるんでしょうね。 なんか奥の主塔が遠近感以上に小さく見えるのは気のせい?
![]()
街に下りると気になる案内標識がいっぱい出てきます。「測量山」・・・これは土木マニアとしては黙ってられません。 名前的にきっと測量と関係がありそうなのですがいまいち謎です。とりあえず案内標識に従って目指すは測量山! どうやら本当に山みたいです。漫画みたく山の周りをぐるぐる渦巻きに登っていくと、 行き止まりは電波塔が林立する山頂でした。各放送局の中継アンテナが所狭しと並んでいます。なんか嫌な景色だなぁ。
で、さすが測量山というだけあって、三角点がありました。
三角点ってのは測量の基準にする点として国土地理院が設置している石です。 動かしたり壊したりするとものすごく怒られます(たぶん)。 まぁそれはどうでも良くて、山頂にあった案内板で測量山の由来がわかりました。
![]()
明治5年、「札幌本道」をつくる時、当時陸地測量道路築造長の米人ワーフィルドが、 この山に登って見当をつけたことから「見当山」と呼ばれていた。後に「測量山」と改めました。
うーん、なんかすんごいいい加減な仕事っぷりだなーと思わずにはいられない過去の実態。 こっから眺めて「う〜ん・・・あの辺だな!」ってな勢いで道作ってたのかー、アバウトだぁ。
でも確かに周りの地形が良くわかります。 アンテナがいっぱいあることにしても、三角点があることにしても、 どっちも見通しの良いところというのが条件なので間違っちゃいないかもしれません。 う〜ん、あの辺の森に沿って道作ろう。
![]()
とか思って山を下りると、さっき見えてたところが何処なのかさっぱりわからんのです。 とりあえず私は、その札幌本道(今の国道36号線)で苫小牧に向かいます。 船の出港時刻は深夜0時、時間がかなり余りそうなので遊びながら行きましょう。
◆ 目指せ地の果て極寒北海道の旅 第14章を読む
back ▲
(C) digi*unique production 2004