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橋マニア また四国へ行く 第11章「橋マニア最終決戦」

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第10章「久しぶりの木曽路」(前の記事)


*   *   *


■2004年8月21日 3日目(そにょ2)


塩尻市中心部に到着~。おそらく今回の旅の最北端地点。ここからは南へ向きを変えて、国道20号線をひたすらGOです。



ぶっちゃけこの国道20号線というのは、あんまり面白くありません。以前、耐寒の旅で北陸に抜けた時など何度か通ってますが、特に景色が良い訳でもなく、面白いものがある訳でもなく、中途半端に市街地みたいなところを延々と走る道です。

という訳で、中途半端に市街地のようなところをだらだらと走ります。諏訪湖を横目にだらだらと、だらだらと・・・。



そして富士見峠・・・と言うからには富士が見えるのだろうと思ったのですが、曇り空の為か全然見えません。というかおそらく見えるとしても天辺がちょこっと見えるだけな気がします。そして左には八ヶ岳が見えるはずなのですが、やっぱり曇り空の為か全く見えません。うぬぅ。つまらん。

そんなときは道の駅にでも寄ってみます。という訳で「道の駅信州蔦木宿」にIN。うーむ・・・ここらでひとついっときますか。本場旨い麺の旅ということで甲州ほうとう(甲州名物の味噌煮込みうどん)いきましょう。というか個人的に、甲州信州近辺を訪れたらこれを食べておかない訳にはいきません。キャットタンであっても! ・・・というぐらい、密かに好きです。

しかしこれは本当にキャットタンには辛い食べ物です。何しろぐつぐつ煮込んだ鉄鍋のままで出てくるので、もの凄い熱いのです。なので、まずはお椀に取る。ただしその時に汁は取ってはいけない! これ。汁まで取ってしまうといつまでたっても冷めないので麺と具だけ取ります。で、冷めるのを待ってから更にふーふーして頂く。これがキャットタン流の正しい頂き方です。そして汁は最後にゆっくり頂きます。ちょっと煮くずれた芋や南瓜の旨味満載でこれが旨いのですよ。(゚Д゚)ウマー!!

これで讃岐うどん+信州そば+甲州ほうとう、本場旨い麺の旅完成です。でも実はまだ微妙に甲州入りしていないので本場じゃないというのは内緒です。



再びだらだらと走り出して、なんかもうどうでもよくなってきた辺りで国道20号線は片側2車線の道路になります。いよいよ都市部、甲府盆地横断です。元々面白くない道が更に面白くなくなります。そしてさすがは日本最高気温記録の地、曇りだというのに暑いです。なんだか息苦しいのでさっさと通り抜けてしまいましょう。

と思いつつ、そろそろ盆地横断も終盤に差し掛かったところで、何故か目も心も正面の山にロックオン。



・・・あ、扇状地(狭い谷の出口に流されてきた土砂が扇状に広がって堆積した地形)。 地理の教科書に必ず出てくると言っても過言ではない、かの有名な勝沼の扇状地です(たぶん)。 これは、扇の頂点に行くしかあるまいて! 極めて衝動的に右折車線へ。 国道をそれて扇の頂点=谷の出口を目指します。



んー、狭い(汗)。 そろそろ旬っぽいぶどう畑の畑道です。軽トラックが通れれば万事OKな勢いで作られてます。非常に狭い! これは久々にギリギリマニアの神降臨の予感。・・・そして、神降臨キタ━━(゚∀゚)━━!! 両脇から草がわさわさ生えてて道でなくなってます。なんか、車の中に葉っぱやら虫やらが大量に侵入してます。おーのー(汗)。 しかーし、この試練を越えないと扇の頂点に立つことはできナッシン! 強行GO! と、かなり強引に抜けてみたら、もうちょっと広くてしかも草が生えてない道に合流。そして頂点に到着。・・・別の道があったのかorz 

まぁとにかく、扇の頂点に来ました。とりあえず車の荷台に乗っかって仁王立ち。 うーむ、甲斐の国が一望にできますな(嘘)。 これは是非とも記録を残して帰らないと!



という訳で、超パノラマ写真~♪ 扇の頂点からぐるっと扇状地を撮ってみました。しかし繋げてみたらなんかいまいち扇っぽさが伝わらない写真になりました。というか、全然伝わらないorz ・・・もういいです。もうどうでもよくなりました! やめます! 帰ります! 

というかよく考えたらこんなところでのんびりしていたらマズいことに気がつきました。暗くなる前に寄り道しないといけないところがあります。GO!



国道20号線に戻って、一般国道としてはかなり長い部類に入る笹子トンネルを抜けて、山梨県大月市に突入。ぷはぁ(←トンネルの中で極力息止めてた人)、ここまで来ればもう普段の行動範囲も同然です。あとはまったりのんびり今まで通りにだらだらと・・・。

さて、この大月市には橋マニアゆかりの地があります。まぁつまりそれなりの橋があります。そんなところを私が素通りする訳があるまい!! とか言いながら今まで散々素通りしてきましたごめんなさい。今回こそはちゃんと寄り道してみようと思います。旅の帰路を中山道に設定したときからそう決めてました。今回は寄ります!

という訳で、この旅での橋マニア最終決戦の地は、ずばり山梨県大月市猿橋町! 橋の名前が地名にも、中央自動車道のバス停留所名(渋滞の名所なので知名度は高いと思う)にもなっているという素晴らしい橋です。まずはその素晴らしさを猿橋の案内看板から引用してご紹介。

猿橋架橋の始期については定かでないが、諸書によれば「昔、推古帝の頃(600年頃)百済の人、志羅呼(しらこ)、この所に至り猿王の藤蔓をよじ、断崖を渡るを見て橋を造る」とあり、【中略】これ以外の伝説は見当たらない。史実の中では、文明19年(1486)2月、聖護院の門跡道興はこの地を過ぎ、猿橋の高く危うく渓谷の絶佳なるを賞して詩文を残し、過去の架け替えや伝説にも触れています。

まぁ、要は伝説の橋ですよ。個人的に"伝説の○○"ってのは結構好きなので、その点かなりツボにはまってます。しかーし、私がもっと気にしているのは「奇橋猿橋」として日本三奇橋に数えられていることで、その"奇"な部分を間近で見てみたくてここに来たというのがたぶん正しいです。伝説はおまけです。

という訳で、伝説の橋、奇橋猿橋です。



まぁ、こうして見ると非常に美しく渓谷の景色に解け込んだ芸術的な橋ぐらいにしか見えません。規模的にも大したことのない木橋です。んー、恐らく紅葉の季節になるとそらもう見事な風景になると思います。しかし、ぶっちゃけ構造系橋マニアはこの程度では喜びません。

私が喜ぶネタは橋の下にあります。橋の横手に回って橋の下を観察~。



おぉ、なるほどこれは奇橋だ! 変だ! 橋を支えている柱が壁面からにょきにょき生えています。ちょっと分かりにくいっぽいので、近くの遊歩道らしきところから橋の真横に回って、にょきにょき生えているところを間近で撮影してみましょう。こんなところにきっちり遊歩道付きとは、橋マニアの欲求をよく心得てます。ビバ遊歩道!



にょにょ! 間違いない、横から生えている! なんて力技だ! こんな見るからに力技で支えてる橋は初めて見ました。いや、まぁ、だからこそ"奇橋"なんでしょうけど。

という訳でこの橋は、両岸から丸太を張り出してその上に板を渡した、という珍しい形式の構造になっています。形式名はよくわかりません。桁橋かというとなんかちょっと違う気もするし、アーチ橋ではないし・・・一応、一般には肘木桁橋ということになっているっぽいですが、なんかそれも胡散臭いです(ぉ)。 とにかく、かなりユニークな構造であることには間違いないですな!

で、何故そんなユニークな力技を使わないといけなかったかというと、まぁ真相は志羅呼さんに訊いてみないと分かりませんが、たぶんその理由はこの峡谷の深さにあります。



橋の上から水面まで30mあるらしいです。Let's紐無しバンジーな高さです(怖)。 ふつーに考えて(当時の技術では)橋脚は立てられません。というか無理して立ててもこの狭い谷だと洪水の時に足元さらわれます。という訳で、川の中に橋脚を立てなくてもなんとかなる方法を考えていたときに、猿の蔓渡りを見てインスピレーションキタ━━(゚∀゚)━━!!だったんだと思うんですが・・・それなら普通は吊橋を思いつきそうなところです。まぁ伝説なんてそんなもんということで。とにかく、ど真ん中に橋脚を立てられないという施工上の制限から肘木桁橋が生まれたっぽいです。というか、そもそも最初からこの形だったのかどうか分かりませんが。

ところでこの橋、地中からにょきにょき柱が生えている訳ですが、そんなことしたら当然腐ります。 これまで何度も腐っては補修、腐っては補修を繰り返してきたらしいですが、補修の繰り返しが面倒になって、昭和時代の補修工事で遂に禁じ手を使ったらしいです。にょきにょき生えているのは木の柱と見せかけて実は鉄骨。これ。鉄骨の表面に木を貼ってごまかしているらしいですorz

新事実が発覚したところで、そろそろ陽も傾いてきたので旅を終わらせましょう。自宅まではおそらく、順調にいってあと2時間か、ちょっと混んで3時間ぐらいでしょうか。あと少しです。



でも3時間掛かると余裕で夜になっちゃうなぁと・・・なんか面倒くさくなってきました。ここまで来ちゃうと地道を走ってても特に面白い道でもないことをよーく知ってるので、高速道路で一気に八王子辺りに飛び込もうかなーなどと裏技を考えながら、まぁとりあえずは国道20号線に復帰して、様子を見ながら相模湖辺りを目指してみます。


*   *   *


第12章「帰還」(続きの記事)

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