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橋マニア また四国へ行く 第5章「本領発揮(前編)」

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第4章「温泉表記詐称問題」(前の記事)


*   *   *


■2004年8月20日 2日目(そにょ1)


夜中に目が覚めました。冷たくて。なんか小雨ぱらついてます。あー、降ってきたかぁ。まぁそんなこったろうと・・・うはっ!! っつーかiBookが写真スライドショーの画面のまま枕元に佇んでいます。どうやら写真を見ながら寝落ちしたらしい私。 おーのー。濡れてしまうではないですか。濡れちゃいや~ん。とか言いながら、画面を閉じて車の運転席(※あまり雨風凌げません)に置いただけで、寝袋も濡れちゃいや~んとか言いながら運転席(※あまり雨風凌げません)に放り込んで、そのまま眠ってしまった私。どう見ても寝ぼけてます。そして自分は雨に打たれて眠っている訳です。まぁiBookと寝袋(濡らすとかなり困るもの)だけでも保護しようとした姿勢は評価してやりましょう。


*  *  *


朝~、朝だよ~。朝ご飯食べて福山行くよ~。 むはっ、名雪!(謎) いや、無理。朝ご飯は厳しいです。まだ昨日のうどんが残ってます。さすがにうどんとは言っても、あれだけ食べると内臓の負担は大きいです。



問題の小雨は夜のうちに止んだらしく、着ているものがちょっと湿っぽい程度で今は曇りです。で、寝袋も程良く湿ってます。さすが夏、私の油断っぷりが素晴らしいです。冬にこれやったら次の晩生きてられないでしょう。寝袋ごと凍ります。 iBookは寝袋の下敷きだった為無事です。

では、ぼちぼち支度して出発しますかねぇ。



寝袋(既に濡れている)は濡れちゃいやーん袋に入れて、iBookは移動形態にセットして、歯磨いて、べとべとの日焼け止め+虫除けはG○TSBYのアレで拭き取って、GO! 


目標: 広島県福山市内、JR福山駅前に10:00到着。

まずは昨日の続き。国道196号線を北へ、今治市の中心部を目指します。



まだ朝6:30なので交通量はとても少ないです。そして曇っているためとても涼しいです。日焼けの侵攻(誤でもないでしょ)はありません。

っつーか、実は昨日の夜、コンビニを探していたときにここを通ったんですが、その時に、一旦宿(道の駅の駐車場)に入ってまったりしていた時にフェンダーの上に載せて使っていた灰皿をそのまま忘れていたらしく、ちょうどこの辺りで落ちて・・・後続の車に轢かれました。当然壊れましたorz ・・・なんてこともあったっけなぁ。

今治市の中心部辺りを少し過ぎたところで、瀬戸内しまなみ海道こと西瀬戸内自動車道の今治I.C.です。



さて、橋マニア、本領発揮です。ここから本州に渡るまで、それはもういろいろな橋が待ち構えています。かなり楽しみで仕方ありません。当然この日記Specialも、暫くの間橋マニア勢力によって占拠されることになりますが、まぁよろしくおつき合いくださいませ。

では、瀬戸内しまなみ海道GO!



期待に反して普通に陸です。すぐにどどーんと橋を渡るのかと思ってました。いや、確かにこれも橋なんですけどね・・・陸の高架橋。これが支え無しでひと跨ぎだったら喜ぶんですが、下からにょきにょき大量に柱が立ってるので特に興味ナッシンの方向で。

しばらくすると今治北I.C.を通過します。そしてここからが本当に本領発揮です。四国から抜け出して4kmの来島海峡を渡り大島へ続く来島海峡大橋、いきなりメインディッシュ級の大物登場です。



4kmの距離を一つの吊橋で渡ったら明石海峡大橋クラスの橋なのですが、来島海峡大橋は3つの吊り橋が連なってできています。それぞれの橋は、来島海峡第―大橋(大島側)、来島海峡第二大橋、来島海峡第三大橋(今治側)という、いかにも技術者が付けたっぽいセンスの無い名前がついています(毒)。 まぁ3兄弟合わせて1つの橋という認識が強いのも事実で、デザイン的にも1つの橋のように統一された美しい景観です。

写真手前側の、道路が吊橋に差し掛かるところは、路線形が曲線のまま直接主塔の下に取り付くようになっている、ちょっとだけ珍しい構造です。吊橋のメインケーブルとは異なる方向に道路があるのでハンガーロープ(垂直に吊るケーブル)は無く、普通の桁橋で下から支える構造になっています。吊橋部分の補剛桁(道路が乗っている桁)は、北海道の旅のときに室蘭港で見た白鳥大橋と同様の扁平六角形の箱桁です。瀬戸内海に掛かる吊橋は、瀬戸大橋も明石海峡大橋も含めてほとんどがトラス(棒状の部材を組み合わせた構造)の補剛桁なのでちょっと珍しい気がします。



この橋の上ではこれまた面白い景色に遭遇します。このての吊橋は、一般に橋の中央付近が高く吊られた山なりの形になるので、それが連続しているとこういう眺めになります。低く落ち込んでいるところが吊橋と吊橋の境、共用アンカレイジ(吊橋を支える巨大なコンクリートの錘)の真上になります。ところで、前回の四国の旅のとき、瀬戸大橋を渡ったのが夜だったので気付きませんでしたが、おそらくは南備讃瀬戸大橋と北備讃瀬戸大橋もここと同様に連なった吊橋なので、同じような眺めが見られる気がします。うーん、いつか明るい時に瀬戸大橋リベンジですね。

大島に渡ると、瀬戸内しまなみ海道は一旦中断です。強制的に島の地道に追い出されます。とりあえず本州と四国を繋ぐために海峡部分の橋だけ優先して建設したので、陸上部分がほとんど未整備なのです。という訳で、一般国道317号線で次の橋に向かいます。



陸上部分の高架橋の建設現場を通りました。まだ路盤が乗っていないようなので、直接接続の開通までにはまだしばらく掛かりそうです。次の入口の看板が見えてきました。

そして、大島北I.C.から、再び瀬戸内しまなみ海道にONです。



将来の本線上に設けられた仮設のゲートっぽいです。工事の進捗に合わせて何度も区画線を引きな直したような痕も残ってます。よく見たらなんか垂れ幕下がってて「10 大島北」とか書いてあるんです(ゲートの中央辺り)。 ・・・看板垂れ幕かよ。

本線に入ると一旦トンネルの入ります。で、それを抜けると、大島と伯方島を結ぶ大島大橋です。



全長900mほどの、長大橋の仲間入りは微妙なクラスの吊橋です。そして片側1車線です。一応、橋の幅としては片側2車線を収められるようになっていますが、現在はその空きスペースに自転車歩行者道があります。将来、自動車4車線が供用されるとそのスペースが無くなってしまう気がするんですが、そうなったらどうするんでしょうかねぇ。・・・まぁいいか。

ところで、この瀬戸内しまなみ海道の橋には歩行者自転車道が設けられていますが、歩行者と言えどタダでは通してくれません。ちゃんと料金所があって通行料を取られます。というか、調子に乗って3ルートも作ってしまった本四連絡橋、かなり財政が逼迫してます。老若男女歩行者自動車問わずみなさんもっと利用してあげましょう。

で、大島大橋を渡って伯方島へ上陸する直前に、実は伯方橋という325mほどの橋を渡っているんですが、特に変哲のない桁橋で、吊橋のように道路から見える目立った構造物が無いのでおそらくほとんどの人はその存在に気付くこと無く通過します。・・・えぇ、私もです。 そしてリンク先の図面、伯方橋の側径間部分の寸法を間違えてます。9mになってますが90mの間違いのはずです(2004/8/29記)。 まぁ実際の橋が間違って出来てないので大きな問題ではないです(毒笑)。

伯方島に渡ってすぐのところに伯方島I.C.がありますが、とりあえず素通りしちゃいます。素通りすると、伯方島から大三島へ大三島橋を渡ります。



瀬戸内海の海峡では滅多に見られなさそうな気がするアーチ橋です。中路アーチ(横から見るとアーチの弓の上下中央に道路がある形)なので、道路からはアーチの上半分しか見えず、実際より小さめに感じられますが、支間(構造的にひと跨ぎにしている距離)は297mでアーチ橋としてはかなり大規模なはずです。

大三島に入ると右前方にちらちらと高~い2本の橋塔が見えてきます。次は長大橋が来る予感満載です。というか私はこれを見に来たと言っても過言ではナッシン。吊橋で中央支間世界最長が明石海峡大橋なら、大三島から生口島に渡るこの橋は斜張橋(主塔から斜めに張ったケーブルで桁を直接吊り上げる橋)で中央支間世界最長の多々羅大橋です。中央支間890m、全長1480mで世界最長の斜張橋です。



なーんて大げさに振っておきながら、橋に入る前にあまり隙がなくて全貌を撮り逃がしました。 という訳で、渡った感想あたりを先に書いておきましょう。道路がかなり平らです。 吊橋なんかだと真ん中が盛り上がってて橋の向こうまで見渡せなかったりするんですが、斜張橋なので、というか、斜張橋だとしてもこれくらい長くなると真ん中を持ち上げそうなところを、何かこだわったようでかなり平らな感じです。それだけ。 渡ってみるとそれほど感動はありませんでした(ぉ)。

しかし全貌を撮り逃したのは痛いです。このままだと一旦高速道路を降りて引き返してでも撮りたいところなのですが、橋を渡ったところにちょうど写真撮り用と言わんばかりに瀬戸田P.A.があったので迷わずINです。そして早速全貌を収めに、もの凄い速さでパーキングエリアの縁へ走る私。そんなに急がなくても橋は逃げません(緊急時は除く)。 緊急時は変形してロボ(略)



ん~、撮れた撮れた(満足)。 構図的にも悪くないし、曇っていたおかげで橋塔と空のコントラストもばっちり。頑張ってここまで来た甲斐ありってもんです。

では、ちょっとマニアックな話を2つほど。1つめ。斜張橋ってのは読んで字の如く、ケーブルを斜めに張って桁を吊ってるんですが、そのケーブルの支点は塔と桁の両端だけで、その間は何も固定されていない自由な状態になってます。この橋の場合、一番長いケーブルだとその長さが462m。そんなに長いケーブルの両端だけ捕まえて、その間の部分を振動させないように頑張るのって考えただけで辛いですよね。当然振動するんです。ギターの弦みたく・・・とまではいかないですがゆ~らゆ~らと。吊ってるケーブルが揺れればそれに吊られている桁も揺れる訳で、斜張橋は最悪それでケーブルが破断して落ちます。特に雨が辛いです。普通に風が吹いてもケーブルの周りにできる空気の渦で振動するんですが、これに雨滴が付いてケーブルを伝って流れると更に困ったことになります。雨滴が流れている断面も物理的に厚みがあるので、ケーブルの断面が円でなくなります。そこに風が当たるとケーブルの周りにできる空気の渦のバランスが崩れて大きく振動します。そのての人はこの現象をレインバイブレーションと呼びます。で、そんなことになって橋が落ちては困る訳で、この橋には特別な対策が施されています。イボ付きケーブル。 そのての人はディンプルケーブルと呼びます(なので本当は窪み付きケーブル)。 ケーブルの被覆に細かい凹凸を付けた特殊なケーブルで、これによって空気の渦のバランスを整え、ケーブルの振動を低減するようになっています。

2つめ。これはこの次に渡るつもりの生口橋のおかげと言えるネタなんですが、計画当初、この多々羅大橋は吊橋で作る予定でした。そらもう中央支間890mと言ったら、それまでの常識(斜張橋は中央支間600mぐらいまでだろっ)では吊橋が妥当だからです。それが斜張橋に切り替わった理由は、お隣りの生口橋(多々羅橋以前に完成している斜張橋)の建設で斜張橋架設の技術レベルが向上したことです。その進化のおかげで中央支間890mを斜張橋で作れる見込みができたので、吊橋よりも地形変更が少なくて済む斜張橋が国定公園内という観点から歓迎されて、今こうして世界最長の斜張橋が存在することになりました。その進化の内容・・・については次の生口橋のところでまとめて書きましょう。2回書くのはめんどいです。


*   *   *


第6章「本領発揮(後編)」(続きの記事)

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